ビビッドなインテリアが今年の気分を一掃する
Trudon、Dolce & Gabbana、Nordic Knotsの鮮烈なフォルムとカラーで空間を装う

今年も大事なく、いい一年だった。だが振り返ってみると、少し守りに入っていた気もする。2024年に向けて、大掃除と一緒に、お気に入りのホームグッズを新しくしよう。オークの無垢フローリング、オフホワイトの壁、グレーのラグマットと、ナチュラルテイストのインテリアは絶対的な安心感を与えてくれるが、それだけが正解じゃない。多国籍な柄で覆われたカラフルなマキネッタ、エロティシズムが漂うデュフューザーなど、色や形が鮮烈なアイテムを並べることで生まれるちょっとした自宅のカオス。あえて乱した空間で、マインドも刺激的に変わるはずだ。

画像のアイテム:写真集(Rizzoli)
1964年の書店開店以来、リッゾーリは視覚的魅力にあふれた書籍を扱ってきた。トーマス・マイヤー(Tomas Maier)がボッテガ ヴェネタで発表してきた広告キャンペーンを収めた本作も、カバービジュアルが見る者の感性に訴える。肉体をダイナミックに躍動させたポーズが、クラシックなテーラード姿の静けさを打ち破り、グレートーンの中で映える鮮やかなBOTTEGA VENETAの文字が、創造への滾る情熱を表す。

画像のアイテム:エスプレッソメーカー(Dolce & Gabbana)
贅沢と自由のスタイルを発表してきたドルチェ&ガッバーナは、老舗コーヒーメーカーであるビアレッティとのコラボレーションで、マキネッタを色と柄で改革する。1958年の初登場以来、シンボルとなったロゴマークは、上空に人差し指を向けて伝える。幾何学と植物の模様、鮮烈なレッド、異国情緒に富んだカラフルなグラフィックで、エスプレッソメーカーが生まれ変わった。イタリアの情熱は、ファッションでもコーヒーでも熱い。

画像のアイテム:グラスセット(Fazeek)
世の中にシンプルなプロダクトが増えるにつれ、逆に一捻りのあるデザインが気になってきたら、ファジークのマティーニグラスに注目しよう。パステルカラーのストライプが、カクテルでまどろむ意識を甘い世界へ誘う。慎ましやかななかにも華やかさのあるデザインが特徴のメルボルン発のブランドは、色彩の妙で創造性をシェイクしていく。

画像のアイテム:キャンドル(Trudon)
世界最古のキャンドルメーカーであるトゥルドンは、1634年創業という歴史が持つ重厚な世界観を、アロマキャンドルの外観に施す。妖しさが色濃く滲む真紅の空で、黄金に輝く太陽。現実世界では見ることが叶わない空想世界が、頭の中を駆け巡る。鼻口から香るシダーウッドやアンバーを堪能し、幻惑の中で心身を休めたい。

画像のアイテム:ディフューザー(Vitruvi)
素材に用いたセラミックはブラウンに染まり、質感は石壁を思わす仕上がり。装飾性皆無の滑らかなフォルムは、眺めているだけで穏やかに。一方で、先端の突起物はある種のエロティシズムも感じさせる。VitruviのStone ディフューザーはミニマルなデザインで、感性を静かに刺激してくる。

画像のアイテム:クッション(Mush Studios)
アルパカウールを使用した正方形の端正なフォルムとは違い、クッション内で円形に形作られたインターシャ編みは毛足が長く、自然素材の荒々しさが滲む。3つのカラーで作られた色の階層は優しげだが、コンセプチュアルな芸術作品と同様に不可思議でもある。Mush Studiosが発表するストレンジなホームインテリアで、リビングをシュールに飾ってみないか。

画像のアイテム:卓上ライター&灰皿(Edie Parker)
遠い昔にどこかで見たような、懐かしいような見慣れないような、不思議なデザインの卓上ライターと灰皿。メタリックな素材、無骨なシルエット、ガラスが発色するオレンジとグリーンの表情は、ぬくもりやクラフトワークとは別世界のメカニカルワールドだ。エディ パーカーにとっては、現代人の習慣も遊びの対象。奇異な感性を持つブランドは、実験と挑戦でホームグッズの可能性を広げていく。

画像のアイテム:ラグマット(Nordic Knots)
ベージュのパイル生地にうっすらと浮かび上がる、淡いトーンのオーバル形モチーフと、二つの長円形に重なる真っ黒な長方形ライン。マーク・ロスコか、エルズワース・ケリーか、ブルーノ・ムナーリか。いや、ここは見たままの感覚に浸って思考をストップしよう。情報を偏重しがちな現代人には、Nordic Knotsのアートなラグマットくらいの鷹揚さがちょうどいいのだ。
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新井茂晃は神奈川のテキスト デザイナー。2016年より「ファッションを読む」をコンセプトに、ファッションデザインの言語化を試みる『AFFECTUS』を主宰し、『TOKION』、『装苑』でも記事を執筆している
- 文: Shigeaki Arai
- Date: December 19, 2023

