Fatima Al Qadiri: 終末に響き渡る音楽

クウェート人のミュージシャン兼アーティストが、彼女のスタジオで、最新アルバム、警察の暴力について語る

  • インタビュー: Zoma Crum-Tesfa
  • 撮影: Oliver Helbig
  • 画像提供: Kraupa-Tuskany Zeidler

Fatima Al Qadiriは、インターネット世代の申し子であり、グローバル規模で活躍するラディカリストだ。例えば、「Hip Hop Spa 」や「Corpcore」を始めとする彼女の初期のミュージックビデオでは、高級ホテル、ホワイトカラーのオフィス、刑務所と言った要素をデジタルで混ぜ合わせている。Al Qadiriは現在、彼女自身もメンバーであるグループ、Future Brownともにクラブミュージック主体のツアーで世界を回っている。また、 ペルシャ湾岸地域のプロパガンダや外交の虚飾を痛烈に批判する謎のアート集団、GCCの立ち上げ人の1人としてアート作品の展示も行っている。ニューアルバムの「Brute」は、暴動の現場で録音された音をバックに、拡声器から発せられる声によってスタートする。「君たちの行為はもはや、平和的な集団行動の域を超えている。立ち去りなさい。車両に戻りなさい。家に帰りなさい。従わない場合は、逮捕します…」。直後に、群衆をコントロールする甲高いサイレンが鳴り始めたと思えば、数発の銃声が響き渡り、聞こえてくる群衆が退散する足音。それはまるでディストピアを描くSF映画のワンシーンのようだが、実は、2年前にミズーリ州ファーガソンで起きた非武装の未成年、Mike Brownが警官に殺害されたことに端を発する、プロテスト中に録音された音源なのだ。そこには国家の暴力とツイッター上での憤激や抗議が凝縮されているとともに、インターネットへのアクセスを持ついかなる者にとって、今までにないほど明白になりつつある、世界規模での終末的なムードをうまくとらえている。

写真家のOliver Helbeigが、かつて旧東ベルリンの中心地だったアレクサンダープラッツにあるAl Qadiriのスタジオを訪ね、Zoma Crum-TesfaとともにBlack Lives Matter(黒人の命だって尊い)活動や、湾岸戦争を生き抜いた自身の経験、そして政治的なアルバムを制作することについて、話を聞いた。

Zoma Crum-Tesfa

Fatima Al Qadiri

Zoma Crum-Tesfa:最新のアルバムが完成した経緯について教えてください。

Fatima Al Qadiri:実は、このアルバムのことを考えると本当に辛かった時期を思い出すの。膝にひどい怪我を負って、Future Brownのツアーから離脱しなくちゃいけなかった時なんだけど、その時、1ヶ月も歩くことが出来ずに、ただ座っていたのよ。1ヶ月も衰弱していた経験なんてある?

実はあります。でもそれは、精神面の方だったんですが。

(笑) いや、身体的に、よ。一か月歩けなかったの。それだけで、精神的にはつらかったわ。一日中、ニュースを観ているしかなかった。寝室で、同じヘッドラインを何度も何度も繰り返し見る生活。 もちろん、それまでもここ2年くらいの間、警官によって市民が殺される事件が、TwitterやBlack Lives Matterなどの運動や、暴力の被害者たちが声を上げたおかげで、一般に知られるようになったのは知っていたわ。そういう状況のなかで、いろんな被害をニュースで目の当たりにしたら、すごく絶望感を感じて、記録に残したいって感じたの。色んなコミュニティーで起きている、いわゆる「警察による恐怖」の影響が、なんだかあまりにも哀しくて。

本当にその通りです。組織的な暴力と言っていいと思います。

「The Nightly Show with Larry Wilmore(アメリカのトーク番組)」は知ってる?

いや、知らないです。

彼は素晴らしいわ。彼の番組にIce Cube とCommonが出ている回があるんだけど、Ice Cubeはその中で密告について話しているの。彼が話していたのは、密告という行為がいかに市民と警察の両方に作用するかという話。つまりあるコミュニティーに属している市民が、誰々のことを密告していないとか咎められるけれど、一方で警察も自分たちの犯罪となるとお互いに密告はしないのよ。これはいろんなコミュニティーが直面する問題をうまく言い表している興味深い例だと思うわ。「わざわざ犯罪を報告したりしたくないだろ?」ということ。それは警察も同じ。警察にもまた「沈黙の掟」が存在するのよね。

国家権益と部族主義のような仲間意識が、どちらも同じような形で密告をけん制するのは、興味深いですね。みんな内部告発者が嫌い、というか。

間違いないわね。建前からすると、新聞では内部告発者をヒーロー扱いするはずよね。でも歴史上、あらゆる内部告発者は内部の人間から裏切り者のレッテルを貼られてきたのよ。

その時はアメリカにいたんですか

いえ、クウェートにいたわ。クエートは、医療サービスが無料で受けられるから。

わたしは歴史というものにずっと取り憑かれてきたわ。音楽をしていなければ、歴史家になっていたと思う

つまり、アメリカのニュースをクエートで見ていたと。

そう。わたしのツイッターアカウントは、アメリカで登録されているから、アメリカのトレンドが常に流れてくるの。このアルバムを書いたとき、最悪の精神状態だったの。過去2年間、もっと言えばわたしの生きてきた人生のすべての中で、国民に対する政府の権力行使を見てきて抱いた感情のすべてが、一気に表に出てきちゃったような感覚だったわ。これは政府にファックサインを突きつけるアルバムだけど、それは単にアメリカに対してだけじゃないの。アメリカはあくまで一例にすぎない。わたしにとって、資本主義、共産主義、独裁制という言葉には、ほとんど違いがないわ。このアルバムは権力がテーマのアルバムで、今世界で一番力を持っているのはアメリカだから。

このアルバムの1曲目を聞くと、イラク戦争のときにアメリカが用いた「ショックと畏怖」という軍事的な教えを思い出します。

どの戦争?

第二次イラク戦争です。なんて呼ばれてましたっけ?

えっと、「イラク解放作戦」かな。

ああ、そうでしたね。

自分の感覚では、このアルバムは全編にわたってそういう雰囲気を漂わせていて、とくに1曲目はホラー映画のような感じだと思ってるわ。でも狂っているのは、それがファーガソンで録音されたリアルなサンプリングだっていうことね。イラクではなく、アメリカで実際に起きたことなの。もちろん「イラク糞喰らえ作戦」だって狂気の沙汰だったんだけど。今思えば、家族の中であの侵攻に反対していたのは私だけだった。とにかくみんなSaddam(サダム・フセイン)を排除したがっていたの。私の父は戦争捕虜だったからジャッジするのはやめておくけれど。だけど、わたしはCheney(アメリカのチェイニー元副大統領)が石油を欲しがっていたのはわかっていたわ。Dave Chappellaの「黒いブッシュ」っていう風刺コントを見ていたんだけど、見たことある?

Chappelle's Show | Black Bush youtube

ないですね。2000年代初頭のユーチューブ ビデオを、もう一回勉強し直さないとダメですね。

あれはたぶん、今まで見た政治の風刺コントの中で一番だったわ。「Dave Chappelle 黒いブッシュ 黄色いケーキ」で検索してみて。見なきゃダメよ。権力で買収されない人はほとんどいないっていうことを表現してるの。私は自分がマザー・テレサだなんて言いたわけじゃないのよ。私はただ、世の中には無かったことにされるケースが多々あって、現代の刑務所制度はすべてが警察の蛮行となんらかの関係があるように思うだけ。Michelle Alexanderの著作、「The New Jim Crow(新たなジム・クロウ)」を読むことを強くお勧めするわ。彼女の本を読んでいるとき、私は文字通り2ページごとにその本を机に置いて休憩をとらなくちゃいけなかった。本の内容に圧倒されて、気分が悪くなっちゃったの。まるでホラー映画を見ているようだったわ。そしてこのアルバムを作っているときも、それと似たような気分と衝動に駆られたの。

アルバムに使用した、他のサンプリングについても教えてください。

Lawrence O’Donnell(政治アナリスト)のコメントが入っているわね。もちろんファーガソン事件へのコメントよ。あとは、ロサンゼルス市警察の前巡査部長のSergeant Cheryl Dorseyの声もサンプリングしてあるわ。彼女はロス市警に20年間勤務したのよ。彼女とは2月にスカイプでほんの少し話したんだけど、最高の女性だったわ。誰かの声をサンプリングしたミュージシャンが、その声の主と実際に話すなんて信じられる? あり得ないほどレアなことだと思う。本当に最高の時間だったわ。彼女は、20年間ロス市警で働いた後、警察の暴力の被害者たちの擁護者になって、どのように警察に対処するべきかということをレクチャーしたの。彼女は 「Black and Blue (黒と青)」という本も書いたんだけど、その本はロス市警に勤務する黒人女性としてのマニフェストになっているの。彼女の話はクレイジーよ。

ロス市警がしてきたことは、狂気としか思えないですね。耐えられない。

同意見よ。

それはヒエラルキーであったり権力であったり、変革への妨げにもなっているの

お父さんについてのあなたの話は興味深いものでした。トラウマは、新しい知識を吹き込むことにも毒にもなりうると言っていいんでしょうか。当時の記憶は、あなたにどんな風に影響していますか?

それは、かなりシリアスな心の傷だったわ。うぶな判断だったと思う。Saddamを排除することが、なにか大きな変化を生み出すと信じられていた。わたしは、それが地獄へ続く最後の扉を開けることになるとわかっていたわ。結果、何が起きたかは見ての通り。ISIL(イラクとレバントのイスラム国)は、あの戦争がなかったら絶対存在していなかったでしょうね。でも、私の父はクウェート侵攻を予期していたのよ。イラクによるクウェート侵攻が起きる1年半も前に、それが起きることを知っていたの。だから私は、「お父さんの予知能力はどうしちゃったの? こんな最悪のことを予期できるなんて」って感じだったわね。

たぶん、だからこそ、警察から暴行を受けたり殺された黒人少年や男性たちのためのデモンストレーションに心を打たれるんだと思うんです。愛するものを失ったばかりなのに、同じような組織的不正から社会を守ろうと、繰り返し立ち上がることができる。遺族たちのその力は、わたしの想像の域を超えています。

同時にそういう運動に対する警察からの反応はいつだって、最悪に陰鬱なものよね。Trayvon Martin、Mike Brown、 Tamir Rice(それぞれ警察や自警団員の暴力の犠牲になった黒人の少年)の身に起こったことは本当に最悪よ。黒人が弾圧を受けた痛ましい事件ね。そしてもっと恐ろしいことに、法律はそれを許しているんだもの。国家機関がどれだけ邪悪なものであるかということに気付かされたわ。だって、アフリカ系アメリカ人の文化を崇拝していて、その考えを海外にも輸出している国なんだもの。

あなたのアルバムを聴いて、ラップやヒップホップばかり聴いている知人に、黒人の友達の写真を携帯電話で見せてくれるように頼んでみたんです。

(笑)

写真を持っていなかった人の多さに、たぶん驚くと思います。

本当に…

2016年にですよ。

べつに驚かないわ。ツイッターでフォローしている人たちを見て、そういうことには気付いていたの。黒人を1人もフォローしていない音楽業界の大物はたくさんいるわ。わたしがクエートを離れた大きな理由のひとつは、あそこがひどい人種差別社会だったからよ。

大学に行くためにクエートを離れたんですか?

そうよ。クエート政府から奨学金をもらって、17歳の時にアメリカに移り住んだの。それまでは一度も行ったことはなかった。ペンシルバニア州の何もないステートカレッジという町に住んでたんだけど、実はそこは州立刑務所に隣接していたの。そこは99.9%の生徒が白人で、わたしは完全によそ者だったの。だからワシントンD.C.、そしてマイアミ、その後ニューヨークに移ったわ。教育庁のアドバイザーは、奨学金の歴史の中でこんなにも転校した人は初めてだと言ってたわ。

さきほど、このアルバムを書いた時に、精神状態が良くなかったということを話していましたね。でも実際、あなたはそのアルバムをリリースしている。この作品が、オーディエンスにどんな風に受け入れられるか、その当時予想はつきましたか?

わたしのレコードは、どれもある意味で歴史的な記憶に基づいた物語がもとになっているの。この要素が含まれていないレコードはひとつもないわ。わたしが心の底から思うのは、音楽はアートの中で最も独善的なジャンルだってこと。映画や書き物、視覚芸術とは違って、音楽はとにかく個人的なものだと思うの。だから、わたしの人間性までも受け入れる気になれば、鑑賞体験はもっと豊かになると思う。このアルバムを、わたしの創作の一部として聴けば、あらゆるものの間を抜けて走る1本の道があることが理解できるから。わたしは歴史というものにずっと取り憑かれてきたわ。音楽をしていなければ、歴史家になっていたと思う。誰が歴史を書くのか、忘れ去られた歴史、消し去られた過去について強い関心を抱いてるの。このアルバムもそういう瞬間を捉えられるような作品にしたいと思って制作したわ。でも今この瞬間に行われている蛮行は、実はすごく古いものなの。それは、アメリカの創立以来存在するものだし、もっと言えば、多くの国家が生まれたときからあるものだわ。それから、政治的なレコードを作れば、まわりはわたしが活動家になろうとしていると思う。でも活動家は片手間ではできない仕事。わたしがそういう肩書きを手に入れようとしているかって? 答えはノーよ。わたしはこの作品をもっと、ごく個人的な検証として捉えているし、わたしを含む、世界中にインスピレーションを与えた勇気ある人々の心に届ける作品だと思っているわ。

残骸や廃墟があるだけ。それでも、みんなショッピングモールのH&Mに行くのよ

政治的なレコードを作ると、それが他の何かに一気に変わっていくというのは、興味深いですね。

音楽業界には、意味を持つことに対しての嫌悪感があると思うわ。ダンスミュージックやラブソングを見ると、とくにそういう嫌悪感を感じるの。個人的に西洋音楽の受け入れられ方は、抽象性を軸に展開していると思っているわ。戦後の音楽は、抽象表現主義の域に属する音楽だと言える。そしてそれは、ありえないくらいに男性優位主義的なものだと思う。古くから伝わる物語りや口承で伝えられてきた歴史は、伝統的に女性のものだったのに音楽業界の一部はそれを否定している。だってあまりにも観念的すぎるから。たとえ「実験主義」と呼ばれてる場合でも状況は同じ。そんなの実験的でも何でもないわ。

それは、 文化の一部でもありますね。意味のあることを表現するのは、攻撃を受けやすいものだから。

そうね。すごく非難を受けやすいものだと思うわ。

あなたの別のインタビューを読んだんですが、湾岸地域で音楽を制作する女性であることについて質問されていたと思います。あなたは、女性であるということに意識は向けていないという風に答えていましたね。

わたしは、可能な限り自分のイメージを脱・女性化させているの。髪を伸ばしてメイクをして、服はタイトにという、完全主義的な女性らしさのイメージからは本当に距離を取りたいの。眉毛を抜いたり、毎日メイクをすることがどれだけ時間がかかるか。わたしは他にもやらなくちゃいけないことが山ほどあるの。むしろそんな時間があるならスタジオでの制作に費やすわ。他に言えるとしたら、極端に女性らしさが求められる状況で育ったことも理由の1つね。だから、音楽の中に極度に女性らしさを売りにするイメージを見つけると悲しくなるの。音楽業界の中にいても先進的な女性になることは可能なのに、いまだに性を商品化させようとするプレッシャーが蔓延しているわ。もちろん、他人が女性らしくある喜びを奪うつもりはないわ。ただ、わたしは絶対にそれとは違うスタイルやアプローチを取るけどね。

それこそ、文化や場所がいかにあなたのスタイルに影響を及ぼしたかということではないでしょうか? アート集団のGCCと製作された作品は、場所や文化の問題を全く別の角度から扱っているように思います。

GCCは難しい領域にいると思うわ。GCCは、自分たちの作品の意図を100%表に出すことはできないから。 GCCという名前のもとになったThe Gulf Corporation Council(湾岸協力会議)は、6カ国(アラブ首長国連邦・バーレーン・クウェート・オマーン・カタール・サウジアラビア)の地域協力機構で、建前上はお互いを政治的、軍事的、社会的に結ぶものと考えられている。この団体がこだわっていることの1つに、地方の官僚制度に特有の慣習があるの。それはヒエラルキーであり権力であり、抵抗でもあるの。多くの人は外交がパフォーマンスであるということに気がついていない。本当に優れた外交家は、俳優なんて目じゃないくらいの演技派よ。言ってみれば、彼らは政府のMeryl Streepsみたいなものね。それで言えば、ペルシャ湾岸の外交は滑稽ね。人目を引くための虚飾であり、壮麗な女の子と言ったところ。

Naomi Wolf の「The End of America(アメリカの終焉)」という本には、政府がいかにしていつも独裁制に陥ってしまうか、ということが書かれています。それは単に、政府が自分たちをどう再ブランド化させるかは前政府から学ぶために、わたしたちは気付かない、ということなんです。

その通り。その再ブランド化のプロセスや、政府がPR会社を雇って自分たちをブランディングしていることこそ、まさに最近GCCがテーマにしてきたことなの。学校で習う歴史の授業だけでは、現状のレトリックを理解するには不十分なのよね。世界中の政府がPR会社を雇ってる。だから情報に通じているかどうかに関わってくるの。政府の方針を見失わないためには抜かりなくいないといけないの。

最後に、あなたのアルバムに充満する終末的な空気についてお話ししたいのですが、かつて終末を生き抜いたという趣旨のことについて書かれていたことがありましたよね。興味があるのは、それがどういった類の脅威を意味しているのかということです。

面白い質問ね。というのも、わたしは多くのものを終末として捉えているの。生まれ変わるためにはすべてを失う必要があって、文明のようなものはいかに他の文明の奥深く下から見つかるかという、極めて仏教的な再誕という意味において。わたしはクウェートが一掃されるところを目撃したわ。今クウェートに行ったところで何もない。残骸や廃墟があるだけ。それでも、みんなショッピングモールのH&Mに行くのよ。占領は一瞬なんてものではなかった。7ヶ月間、仕事も、学校も、病院もない状態だった。子供として正気を保つためには、自分のイマジネーションをフルに使うしかなかった。テレビゲームに夢中になったのはその頃ね。妹とわたしは、絶えずテレビゲームをやっていた。大人の現実から逃げ出したかったし、それがいかに邪悪なものかということから目を背けたかった。自分の運命は自分でコントロールしたいと思うようになったの。それにテレビゲームの中ではわたしが神だったから。その頃から、未来のことで頭がいっぱいになった。私たちがこの国を再建したとき、国はどんな風になるだろうということばかり考えていたわ。わたしの学校の校庭には、掘があったのよ。イラク兵が掘った塹壕。ステルス爆弾から身を守るためって。中世のような古臭い戦術よね。

つまりあなたにとっては、暗黒の時代はもう訪れているということですね。

それは世界中で起きていることよ。権力にまつわる問題は、それがとても当たり前だということ。現代の社会に生きている人なら、何も目新しいことなんかじゃないわ。前に言ったように、これはオーディオダイアリーなのよ。あちこち行っては弾き飛ばされる蚤になるようなものね。かつて、こんなことを言った政治のリーダーがいたわ。誰かは言いたくないけれど。彼曰く、市民が彼の鼻にかかる髪の毛だとしたら、その毛をむしり取るまでだ、ってね。

  • インタビュー: Zoma Crum-Tesfa
  • 撮影: Oliver Helbig
  • 画像提供: Kraupa-Tuskany Zeidler