春の陽気と
毒のあるワンピースの
不協和音を楽しむ
I'm Sorry by Petra Collins、
Gucci、Marniに誘われる、
シュルレアルなピクニック

ここ数年、アレッサンドロ・ミケーレやジョナサン・アンダーソン、デムナ・ヴァザリアは、不穏で悪趣味でさえありながら、なお美しく、何度も見ずにはおれないようなクリエイションで、人々の心をつかんできた。あるものを本来のコンテクストの外に移すことで意外性や違和感を与えるデペイズマンはシュルレアリスムの常套手段だが、「どこか悪趣味な美しさ」は「春ののどかで平和な陽気」と出会うことで、より中毒性の高いシュルレアルなトレンドへと変容する。毒々しいほどに青い芝生の上で開かれるピクニックに誘われたら最後、あなたはもう戻ってこられないかもしれない。

画像のアイテム:SSENSE限定 ピンク The Petra ワンピース
画像のアイテム:SSENSE限定 ピンク The Petra ワンピース
ペトラ・コリンズのパステル ピンクは、夢見がちで自由闊達なメルヘンを象徴しているようであり、同時に、他者と自己との境界があいまいな脆弱な精神性をも表現できる、まさに「少女」にもってこいのカラー。

画像のアイテム:ハット(Loewe)
アウトドアなイメージのバケットハットにあしらわれた、ロエベの上質なレザーと贅沢なジャガードのアナグラムだ。アウトドアとラグジュアリーという相反する二つのイメージが織りなす不協和音は、ノイズミュージックのような得も言われぬ倍音の響きを奏でる。

画像のアイテム:バー用品(Modern Sprout Garden Party)
香りをたしなむためのインフュージョンカクテルだが、その穏やかなたしなみの裏に隠されたアルコールの働きは、人々をその世界の深みへと引きずり込むかもしれない。オーガニックなブナ性のルックスに、簡単に心を許してしまいそう。

画像のアイテム:ジャケット(Gucci)
フレイヤ・ハルタスの活き活きとしたキャラクターたちがアレッサンドロ・ミケーレの世界観と出会う。可愛らしさを引き立たせる悪趣味性を手に入れた彼らはシュルレアルガーデンの住民だ。

画像のアイテム:ローファー(Marni)
ライトグリーンの毛に覆われたスリッポンは、ファーが持つ動物性とアーティフィシャルなグリーンカラーが、互いの相反する特性を打ち消しあうのではなく、むしろ美しい違和感として成立している。

画像のアイテム:トートバッグ(Engineered Garments)
滑らかなさとシワ感が特徴のタフタ生地で作られたバッグは、アイテム全体に広がるぼやけたフローラルパターンにさらなる奥行きを持たせる。その表情に、あまりまじまじと見入っていると、生い茂る花の奥に引きずり込まれそうだ。
sushiはフリーランスのファッションライター。2018年に大学を卒業後、不動産デベロッパーにて不動産の開発業に携わる傍、同社の副業制度を利用し2020年よりライターとしてのパラレルキャリアをスタート。FASHIONSNAP.COMでもコラム「あがりの服と、あがる服」、「sushiのB面コラム」を執筆、連載中。Twitter(@odbodbodbodbo)でも活動
- 文: sushi
- Date: March 10, 2022

