伝統のインディゴブルーと
今日の暮らし
Devialet、Doublet、A-COLD-WALL* が、
静寂の青を披露する

日本の伝統である藍染の藍色には、いくつもの名があることをご存知だろうか。染め作業の回数が増えるたびに「甕覗(かめのぞき)」「浅葱(あさぎ)」、「縹(はなだ)」などと名前が変わっていき、藍は色の濃さを増していく。今回紹介するブルーのスピーカーやトラウザーズも、多様な青色を見せる。濃い藍も淡い藍も、等しく美しい。インディゴブルーは、今も私たちの毎日にしっとりと染み込んでいる。

画像のアイテム:スピーカー(DEVIALET)
ミニマルな筐体が轟かせるパワフルなサウンドを、ひとり楽しむ深夜の時間。デビアレは、密かな至福を深く濃く渋いブルーで歓迎する。

モデル着用アイテム:ジャケット(Doublet)
転写プリントで作り出したヴィンテージデニムのブルーと、絞り染めの技法で剣山のように尖らせたフォルムは、痛々しくも独創的だ。ダブレットのイマジネーションは、海のようにどこまでも深く広い。

画像のアイテム:スニーカー(Comme des Garçons Play)
こちらを伺うようにソールから覗く二つの目。黒いハートは、青いキャンバス生地に埋もれ、何を考えているのだろうか。プレイ コム デ ギャルソンはコンバースと共に、ミステリアスなブルーを届ける。

モデル着用アイテム:ジャケット(Yuzefi)
特異な造形を探求するユゼフィは、伝統のテーラードジャケットを前にしても怯まない。ラペルとポケットを完璧に削ぎ落とし、ウェストの上下を紐で結び、歴史ある服のディテールと構造を大胆に更新する。ディープなブルーが、挑戦を恐れない創造に品格を生む。

画像のアイテム:フラワーベース(Marten Herma Anderson)
ピュアなブルーで花も部屋も飾ろう。アーティストでもあるMarten Herma Andersonは、滑らかな造形のセラミックの花瓶で、青を穏やかな美しさへ導く。

モデル着用アイテム:トラウザーズ(A-COLD-WALL*)
ダイアゴナルなカッティングを駆使したトラウザーズは、脇に通常の切り替え線が存在せず、服の構造を新しくする野心にあふれが、テクニカルなアプローチを軽いブルーがシリアスに見せない。労働階級と上流階級の間に立つ境界を「冷たい壁」と称したサミュエル・ロスの知性は、ワークテイストのボトムでも健在だ。
新井茂晃は神奈川のテキスト デザイナー。2016年より「ファッションを読む」をコンセプトに、ファッションデザインの言語化を試みる『AFFECTUS』を主宰し、『TOKION』でも記事を執筆している
- 文: Shigeaki Arai
- Date: September 8, 2022

