若き心は
千々に
乱れて

TORSOが孤独な生活の気分の揺れを撮り下ろす

  • 写真: Torso
  • モデル: Dominic Valle、Marques Valle / Next Models

気分は感情の一種なのだろうか? 感覚であることは間違いない。一瞬で変化するくせに、その引き金にはほとんど気付かない。雲が太陽を遮れば、わずかな恐怖が忍び込む。隣の部屋から料理の音が聞こえれば、安心感が生まれる。ラザーニャの匂いと感覚が結びつく。だが気分が、動かしがたく居座ることもある。

闇雲に掃除するみたいな行為に駆り立てる気分があれば、物静かにさせる気分がある。一気に湧き起こる気分があるし、何か月も続く気分がある。あからさまな表情となって現れる気分がある。だが、予期していなかったメールに思わず浮かんだ歓びの微妙な表情を、Zoomは映し出すだろうか?

ほとんどは孤立した状態で、1年が過ぎた。日々は変化のない一塊の単調となって溶け去り、ああでもないこうでもないと状況を推し量るほかには、さしてすることもない。カーペットと一体になり、ソファーと一体になる。ベッドの端に腰かけて、空を見つめながら、明るい将来も空想してみた。誰もいないひとり暮らしのアパートで、午後の3時46分に破裂した鬱屈は、物音を立てるだろうか? 硬直した混じり気なしの倦怠も、気分のうちに入るのか?

今は悲観的にならず、常に建設的であれと忠告される。ただし手放しの楽観ではなく、慎重に。アプリで気分の変化を記録し、落ち着きの程度を図表で示し、脳内の空き容量を増やすのだ。気分は突きとめて、和らげて、調整できる。

TORSOが撮り下ろした超自然な雰囲気漂うエディトリアルで、フロリダで巣ごもり生活を送っている双子モデルのドミニクとマルケスが、アンニュイと気分の陰影を見せる。

  • 写真: Torso
  • モデル: Dominic Valle、Marques Valle / Next Models
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: May 11, 2021