モードな服の下に現れたモード

Heron Preston for Calvin Klein: Season 2、SKIMS、 TOM FORDが装いを準備する

    デザイナーたちの才能がきらびやかに輝くコレクションを目にすると、心は瞬く間に熱を帯び、「この服を着たい」と身体が疼く。こうしたファッションの衝動が、アンダーウェアによって掻き立てられる時代が来た。これまで服の下に潜んでいたアンダーウェアを変えよう。肌のコンディションを整えて、モードを纏う心と体を準備しよう。野心と挑戦に富んだ服の下から、モードを着る体験は始まる。

    アンダーウェアにファッション性を持ち込んだCalvin Kleinは、そのモダンウェアとは対照的に精神はアヴァンギャルドである。一方、Heron Prestonは、かつてニューヨーク市衛生局とコラボレーションしたように、ストリートウェアと社会を結んだ先駆者だ。開拓の精神を持つ両者が手を組み、Heron Preston for Calvin Klein: Season 2から生まれたホワイトソングは、色気を排除したミニマムなデザインで、これからモードを着る心に緊張感を灯す。

    画像のアイテム:ブリーフ(Marine Serre)

    ブランドを着ることは、ブランドの精神を着ることでもある。Marine Serreは、アラブと西洋の文化が見え隠れするハイブリッドスタイルを披露する。それはまるで、遠く距離を隔ていても、その交わる点に平和な何か、美しい何かがあると訴えかけてくるようだ。ボクサーブリーフという性器を大切に守るウェアを、何ものにも染まっていない白でデザインする。無垢な視点から世界を眺めること、モードを着ることを始めよう。

    モデル着用アイテム:ブラ(ISA BOULDER)

    モードな服に袖を通す瞬間の胸の高鳴りは、何ものにも代えがたい。しかし、SSENSEのためにISA BOULDERが用意したブラは、アンダーウェアを着ることがモード体験の始まりだと知らせる。植物の蔦のようにグリーンとブルーが描くウェーブは、インドネシアの伝統とクラフトマンシップに誇りを持つ、このブランドならではのエレガンス。表舞台に出る準備は整った。今がモードの主役をシャツやニットから奪う時だ。

    画像のアイテム:ブリーフ(TOM FORD)

    1分1秒を惜しむ現代のスピード感を横目に、ゆったりと時に身を委ねる。焦燥や切迫とは無縁で、1時間1日を優雅に過ごす。これ以上の贅沢があるだろうか。TOM FORDは、現代の夢を実現するワードローブとなった。極上に身を包むなら、アンダーウェアに手を抜くのは禁物だ。漆黒に浮かび上がるホワイトロゴが気品高く映え、艶やかで挑発的な色気が、毎日を刺激する。

    モデル着用アイテム:ボディスーツ(SKIMS)

    トップスやボトムの下に隠れ、存在感を消している衣類。それが多くのアンダーウェアだった。SKIMSはボディスーツで「アンダーウェアはモードの下に着るもの」という概念を書き換える。ストレッチナイロンのジャージは、見事なまでにボディラインへフィットし、スリムでナチュラルなシルエットを作り、首元と胸元を広く深く露わにするカッティングは、このアイテムがボディスーツだということを忘れさせる存在感を放つ。

    身体のあり方を捉え直すような造形の服を着ていたとしても、肌の調子が不調ならば、モードを着る体験は高揚感に欠ける。Hawthorneは、現代人の身だしなみを整えるプロフェッショナルとして、モードを愛する人々のために特別なSSENSE限定セルフケアセットを用意した。健やかな肌は自信を呼び起こし、鏡に映る姿を誇らしく見せる。瑞々しい肌と洗練のアンダーウェアをセットにすれば、革新的な造形は超えられる。

    新井茂晃は神奈川のテキスト デザイナー。2016年より「ファッションを読む」をコンセプトに、ファッションデザインの言語化を試みる『AFFECTUS』を主宰し、『TOKION』でも記事を執筆している

    • 文: Shigeaki Arai
    • Date: November 1, 2021