バッグから日焼け止めローションまで
自然を室内で謳歌する
Doublet、Arc’teryx System_A、
Salt & Stoneがもたらす
豊穣な自宅時間

駅から徒歩3分のマンションに住み、都会の利便性を大いに楽しんでいるが、建ち並ぶ高層ビルは、時として緑を恋しくさせる。だけど、勘違いしてほしくない。山を登りたいわけでも、キャンプに行きたいわけでもない。汗をかくのは嫌だし、汚れるのも嫌で、疲れるのはもっと嫌なんだ。自宅で過ごしたまま、外に出ることなく感じる自然がちょうど心地いい。休日の朝、バルコニーの向こうに見える晴れ渡った青空が、私をささやかに癒してくれる。

画像のアイテム:メッセンジャー バッグ(Doublet)
ダブレットの井野将之の視線は、いつだって世界にユーモアを見出す。祖母が使っていたがま口財布を思い出させるメッセンジャーバッグを前に、時間は昭和へと巻き戻る。だが、バッグの底から生えている白く得体の知れないものによって、「おばあちゃん」のイメージは覆る。意味不明なマッシュルームに上書きされた美しい記憶に、笑みがこぼれる。

画像のアイテム:プレート セット(Jars Céramistes)
均整の取れた真っ白のプレートで食べる魚のソテーも好きだが、時折ダイニングで自然を味わいたくなる。Jars Céramistesは、不均衡の美をテーブルウェアで表現する。釉薬を用いて手作業から生まれるざらついた色と、石器のような粗さが風情を醸しだす。フランスで誕生した160年の歴史を持つ陶器ブランドは、ディナーに日本庭園に通じる侘び寂びを見せてくれる。

モデル着用アイテム:ビーニー(ARC'TERYX System A)
夕食を終え、ソファでNetflixを楽しんでいると、突然部屋が暗くなった。停電は一向に復旧せず、エアコンの止まったリビングは次第に冷えていく。スマートフォンをライトに変え、見つけ出したナイロン混フリースのビーニーを頭に被り、耐え忍ぼうと決意する。アークテリクス システムAは、厳しい環境へ挑む人間をハイパフォーマンスの機能性で支える。

モデル着用アイテム:トラウザーズ(Moose Knuckles x Eckhaus Latta)
ワイドなシルエット、ポケット口のファスナー、4本の切り替えと頑強な見た目のボトムに、ムース ナックルズとエコーズ ラッタはある仕掛けを施している。ジッパーをつけた切り替え部分が取り外しでき、レングスを自在に変えられるのだ。在宅勤務中、気分転換が必要になったら、トラウザーズをリラックスしたショーツに変身させ、室内を歩く。床暖房で温められた空気に触れた膝の感触に、心は軽くなり、脳からアイデアが沸き起こる。

画像のアイテム:ヘアブラシ(NUORI)
不純物を含まない良質の原料のみを使用し、常に新鮮なスキンケア製品を追求するセルフケアブランドは、パドルブラシにもその哲学を注入する。流麗なフォルムと白木の木目、イノシシの毛とアッシュ材が見せる黒と白の対比は、目も喜ばせてくれる。ブラシを握る感触、クシ通りよく流れる毛髪、頭皮が受ける刺激。ヌオリはブラッシングの時間を恍惚へ導く。

画像のアイテム:サンスクリーン(Salt & Stone)
昼食にアラビアータを作ろうと思ったが、オリーブオイルがない。南向きのバルコニーから燦々と差し込む太陽の光を見て、急いで日焼け止めローションを両腕や首元に塗る。ローションのしっとりとした感触に、散歩も悪くないと思う。だが、エントランスを出た瞬間、予想外に強い日差しを浴びて、やはりマンション直結のスーパーにしようと思い直す。自然の恵みは、肌に感じるソルト&ストーンの潤いだけで十分だ。
- 文: Shigeaki Arai
- Date: March 29, 2022

