MATTER and SHAPE:インテリアとファッションが響き合う場所
ファッションとデザイン、その狭間に生まれる新たな景色。今、トレードショーの扉が開かれる
- 文: Chris Gayomali
- 写真: Ophélie Maurus

3月にパリのチュイルリー庭園で開催された、第2回「MATTER and SHAPE」トレードショー。このイベントは、インテリアデザインの未来について、ある興味深い問いを投げかけた。我々はインテリアを、もっとファッションのように捉えるべきではないか?
MATTER and SHAPEは「ビジネス志向のデザインサロン」として知られている。開催時期をパリのウィメンズ ファッションウィークに合わせたのも、偶然ではない。インテリアのトレードショーといえば、プロのインテリアデザイナーやホスピタリティ業界などの関係者だけが出入りするものだが、MATTER and SHAPEには、LEMAIREのショー最前列に座っていそうな人々が多く集まった。
(ちなみに、デザインキュレーター兼ジャーナリストのジュリア・ヘイニー・モンタネス(Julia Haney Montanez)のレビューによれば、会場はオールブラックに身を包んだスタイリッシュな来場者であふれていたらしい)
MATTER and SHAPEの根本的な主張はこうだ――洗練された美意識や上質な家具は、特定の業界のものではなく、審美眼と探究心を兼ね備えたすべての人のためにあるべきだ、と。

MATTER and SHAPEの入り口。冒頭の画像:Flos x Formafantasmaのライト

Vitraのチェア
今回の「MATTER and SHAPE」には、約30のブランドが出展。そこに集められたのは、デザインオブジェとラグジュアリーの古くさい境界線をぼかすような、洗練されたブランドばかりだった。たとえば、イタリアのデザインスタジオ Formafantasma とのコラボレーションを発表した照明の名手 Flos、遊び心あふれるインテリアグッズを展開する Gohar World、ガラス作品を手がけるアーティスト Akua Objects、コペンハーゲン発の家具イノベーター FRAMA、そして香りのパイオニア Byredo などが名を連ねた。
このイベントの企画者である、WSNのフレデリック・モース(Frédéric Maus)、ディレクターのマチュー・ピネ(Matthieu Pinet)、そしてジャーナリスト兼アートディレクターのダン・ソーリー(Dan Thawley)は、MATTER and SHAPEは21世紀のデザインを多角的にとらえる場だと言う。「確立された価値観と新たな才能を交差させながら、インダストリアルデザイン、プロダクトデザイン、インテリア、ファッション、デコラティブアートの枠を超えた視点を提示するのです」
ファッションのサイクルは、家具よりもはるかに速い。ブーツなら10年の間に何足か買い替えるかもしれないが、シャンデリアを購入するとなると、まったく異なるロジックが働く。だが、消費者の目を養うことは、どんな分野においても価値のある取り組みだ。かつては、ラグジュアリーファッションも限られた層だけが手にできるものだった。しかし、今ではより多くの人々にその扉が開かれるようになった。それと同じように、家具やインテリアの世界も変わる可能性があるのではないだろうか。

ウィロ・ペロンによるデザイン

Byredoのフレグランス

Framaのスツール
このイベントでは、教育的なアプローチが重要な役割を担っていた。プレゼンテーションの舞台となったのは、デザイナー兼建築家ウィロ・ペロン(Willo Perron)が手がけた2つのポップアップ構造だった。Cartier、SKIMS、Roc Nationといったクライアントを持ち、ステージ演出やイベントのバックドロップで知られるペロンならではの、洗練された空間が広がっていた。
「会場全体がフォトジェニックだった」と語るのは、For Reference のインテリアデザイナー、レイラニ・アリタ(Leilani Arita)。実際にイベントに足を運んだ彼女はこう続ける。「来場者の多くはファッションウィーク目当てで、その流れでデザインのクロスオーバーを楽しもうとしていた」。特にファッション業界の人々にとって、このイベントは「垣根のない、美への扉」になっていたという。その象徴とも言えるのが、Kiko Kostadinov × Soft Baroque のチェアのようなコラボレーションだった。

Akua Objectsのグラス

Verre d’Onge x FR ARのベース
キュレーションをひとつの価値として捉える考え方は、決して目新しいものではない。しかし、ファッションがインテリアデザインの世界へとさらに歩み寄る中で、その影響力はますます強まっている。MATTER and SHAPEが示したのは、境界を超え、新たな表現を生み出す余白がいかに広がっているかということだ。

Akua Objectsのディスプレイ
Chris GayomaliはSSENSEのデピュティエディター
- 文: Chris Gayomali
- 写真: Ophélie Maurus
- Date: April 4, 2025

