週の真ん中にそびえる
水曜日の壁
次の週末まで乗り切る5人のクリエイティブな知恵と習慣
- 文: Jayne Goheen、Tiana Reid、Daniel Moon、Ben Sanders、Arabelle Sicardi

ああ、水曜日よ。週末と週末に挟まれた日々が、カフェインの過剰摂取、氾濫する受信トレイ、止まらない先延ばし、ストレス性のオンライン ショッピング衝動に占領され、輪郭を失い、大きな一塊りになってしまうとき、何が救ってくれるだろう? 普通、日曜日にのんびりリラックスするセルフケアのリストは、しっかり頭の中にできている。「おもしろい本を読みながら、ゆっくり湯船に浸かる」は安定の選択肢だ。だが週末ほど大切にされない週日でも、エネルギーを一新し、心身を調整し、息抜きできる方法はある。水曜日を週の真ん中と考える代わりに、何かをする日に決めてはどうだろうか? そのときにしっくりくることなら、何でもいい。週の半ばで立ち往生しないで、水曜日をもっと楽しむ手はないものか。
ちょうど去年の今頃、時間を失ってぬかるみと化した日々のさなかで一種のグループ日記を編纂すべく、ある金曜日の4:45 PMにしていたことを15人のアーティストとライターに書いてもらった。今回は、依然として慰めと繋がりを模索する日々のさなか、カンフル剤を注入して1週間を乗り切るべく、クリエイティブな5人に元気回復のテクニックを教えてもらった。

ジェーン・ゴヒーン(Jayne Goheen):デザイナー & クリエイティブ ディレクター
週の半ばには、仕事と母親業と妻業、それから、やるつもりはあるんだけど結局ご無沙汰になってしまう友達付き合いで燃え尽きているから、炊きたての白いご飯と冷蔵庫にあるありあわせの韓国料理のおかず「バンチャン」に頼るのが、私のセルフケア。炊きたての白いご飯 (ホット フレッシュ ホワイト ライス、略してHFWR) は、小学校へ通ってる子供が大好きなご飯の主役だし、「愛してるけど、今夜はもう話しかけないで、そっとしておいて」を告げるサインにもなっている。子供たちを寝かせたら、脳のスイッチを切って、誰とも話さないで、テレビを見ながらHFWRを食べて、外の世界から内のなる世界へ方向転換して、もっとシンプルな時間へ戻る。そうするうちに、また「やる」モードに飛び込む元気が戻って来る。
ティアナ・レイド(Tiana Reid):ライター
生きていくことが、生まれてから死ぬまでの間の大きな水溜りみたいな気がするときは、他の真ん中のものを考えるのが役に立つ。どの日でもいいけれど、午後の3時。出会ったけれど、知らない人。ベラ・ハディッド(Bella Hadid)!とかブリトニー・スピアーズ(Britney Spears)!とか、三人兄弟の真ん中。荒れてはいないけど自然でもない、手入れの行き届いた芝生。夜でもなく朝でもない夜更かし。そういう美しい儀式のすべて。

ダニエル・ムーン(Daniel Moon):ヘア スタイリスト & HAIR Los Angeles創設者
近頃は、ヘアドレッサー、起業家、アーティストの3役で手一杯だから、ついつい曜日を忘れてしまう。仕事をしてないのは、一体いつなのかって? 美容サロンで12時間働いて、家に帰った後は、何かクリエイティブなことをするか、仕事を忘れてインスピレーションを探す。サロンで動画撮影を増やすのに動画編集ソフトのPremiere Proを勉強したから、撮影した動画を見ながらのこともある。僕のエネルギーは確実に、全部仕事に吸い込まれる。とにかく、色んなことをやらないと!
ガールフレンドのニコル・リーバー(Nicole Reber)は高級不動産エージェントで、クリエイティブな仕事を一緒にやるパートナーでもある。夜は、写真をやりとりしたり、ふたりで新製品の開発を考えることも多い。大抵は、ヘアのインスピレーション探しと、長毛ダックスフンドの動画が入り混じるけど。ここのところ、夜は前より早く寝て、早朝ハイキングに備えるようにしている。僕はグリフィス天文台があるグリフィス パークの隣に住んでいて、兄のスティーヴ・ヘルナンデス(Steve Hernandez)が中〜上級者向けのハイキングを教えてくれる。そう、あのスタンドアップ コメディアンのスティーヴ・ヘルナンデス。これで朝が始まる。現在の目標は、朝、サロンへ行く前に体を慣らし運転しておくこと。日によって仕事の内容は全然違うから、僕の場合は、安定した繰り返しでエネルギーが充電されるんだ。バランスを心掛けて、健康に投資するように努力している。
ベン・サンダース(Ben Sanders):アーティスト
妻がフルタイムの教師だから、彼女が仕事に行ってるあいだ、小さいふたりの子供たちの面倒を見るのは僕の仕事だ。彼女が帰宅したら、僕はバトンタッチでスタジオへ行き、夜の時間を自分の仕事のために使う。だから週日の夜の僕たちは、海ですれ違う船みたいだ。でも週に1回はスタジオへ行かず、家にいて、うまい夕食を作る。下ごしらえと料理中はカクテルを手放せないが、最初はジンかテキーラで。眠くなるウィスキーは、お腹がふくれて、子供たちが寝静まるまでお預けだ! 僕が作るのは、ほとんどが簡単な家庭料理の類に限る。塩を擦り込んだ後、1日冷蔵庫で寝かせたチキンのローストとか、溶かしバターをかけながらグリルしたポーク チョップに、マッシュポテトの付け合わせとか。ガーリックを利かせたクリーミーなトマトソースでブロッコリー レイブを煮て、一緒に、自家製のサワードウ ブレッドをたらふく食べるのもいい。最近は、出版と同時に料理本の古典になったクリス・イェンバムルーン(Kris Yenbamroong)の『Night + Market』から、マリネしてグリルする料理にハマっている。パンデミックのあいだ、ロサンゼルスにあるレストラン「Night + Market」が僕は恋しくてたまらなかった。グリルした料理を、レタス、ハーブ、自家製のチリ ピクルス、キュウリのサラダ、たっぷりのジャスミン ライスと一緒に食卓へ出すのが、すごく楽しい。めちゃくちゃ忙しいスケジュールの中でも、週に1回家族全員で食卓を囲むと、家族の絆を新たにして、暮らしの優先順位を再確認できる。

アラベル・シカルディ(Arabelle Sicardi):美容 & ファッション ライター
週の真ん中で私に元気をくれるのは、マニキュア。早くまたサロンへ行きたい。サロンは、これまでで、今がいちばん清潔になってる。「Chillhouse」のネイル アーティストのケサン(Kesang)と私は好みがぴったり同じで、とにかく波模様が大のお気に入り。
- 文: Jayne Goheen、Tiana Reid、Daniel Moon、Ben Sanders、Arabelle Sicardi
- 画像/写真提供: Jayne Goheen、Daniel Moon、Arabelle Sicardi
- 翻訳: Yoriko Inoue
- Date: June 16, 2021

