持ち主を語る物とモノ

私たちの意識下が物を通して
まざまざと露呈する

  • 写真: Fatine-Violette Sabiri
  • スタイリング: Shahan Assadourian

往々にして、物の運命は持ち主で決まる。どれほど注意を注がれるかで、変化や老朽の度合いは左右される。指でたくさん触られたら風格の艶が生まれるし、埃をかぶっていたり蜘蛛の巣が付いているのは、関心を払われていない証だ。持ち物の変化は、それ自体より私たちの在り様を色濃く反映することに、私たちの誰もが気づいている。

太陽は生命とエネルギーで有機体を脈動させるが、逆に、光分解によって布地から徐々に鮮やかな色合いを奪うこともできる。アンドレ・ブルトン(André Breton)が「私たちを取り巻く何ものも客体ではない」と書いたように、「あらゆる物は主体」なのだ。グラスは、水であれ三日月の形に残ったバーガンディ色のワインであれ、何かを入れるために存在する。そして使われないときは、ただ待ち続けるしかない。香水のボトルはどうだろう。同じくガラス製の容器に変わりはないが、中身は常に入っている状態だ。常に使われる物の存在は、待つことの長い物の存在より大きな充足を意味するのだろうか? 真昼の太陽が放射する強力な光線に晒し続けることで、私たちは無意識のうちにクッションを褪色させているかもしれない。私たちが占める空間は私たちの無意識の集合体であり、私たちの内面世界と関心を解き明かす鍵である。

Comme des Garçonsのフレグランスはラブ ストーリーを、Bottega Venetaのサングラスは未完のストーリーを、Dries Van Notenのプラットフォーム サンダルは宿命を語る。今回は、@Archiving Stacksのシャーハン・アサドゥリアン(Shahan Assadourian)によるスタイリングとモントリオールの写真家ファティーヌ・ヴィオレット・サビリ(Fatine-Violette Sabiri)の撮影により、持ち主を語る物とモノにドキュメンタリー形式で迫る。

  • 写真: Fatine-Violette Sabiri
  • 写真アシスタント: Anna Arrobas
  • スタイリング: Shahan Assadourian
  • スタイリング アシスタント: Sonja Ratkay
  • ヘア & メイク: Carole Méthot
  • モデル: Ahmed Elsayed Mohamed、Mandeep Kaur-Rai、Rafael Tsukamoto de Sousa、Grapes Jean
  • 撮影場所: The Canadian Centre for Architecture
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: April 29, 2022