Acne Studios
2022年秋冬
Repurposed
コレクションと
物づくりの
コミュニティ

ニューヨークの
アーティスト5人が
SSENSE限定コレクションを
試着する

  • 写真: Neva Wireko
  • スタイリング: Mel Reneé Leamon

Acne Studios 2022年秋冬のRepurposedコレクションに感銘を受けたSSENSEは、ユニークな創作に励むクリエイターたちの仕事ぶりと作品に触れるべく、ニューヨークで4つのスタジオを訪れた。フォトグラファーのニーヴァ・ウィレコ(Neva Wireko)が入念なディテールに感動しつつ撮影したのは、先ずブルックリン地区ブッシュウィックにあるLesser Miracleのワークショップ。ここでは、ヴィンス・パティ(Vince Patti)とミシャ・ラングリー(Mischa Langley)のふたりが家具をデザインしている。同じくブルックリン地区プロスペクト ハイツで、陶芸家クリスチャン・モーゼス(Christian Moses)はすべて一点物の作品を創作している。チャイナタウンで自宅のドアを開けてくれたのは、ガラス デザイナーのデイナ・アービブ(Dana Arbib)。自宅は、作品のコンセプトを練り、計画を立てる場所でもある。家具およびオブジェ デザイナーのマイク・ルイズ・セラ(Mike Ruiz Serra)は、人体を思わせる手づくり作品に囲まれていた。さまざまな道具、床に散乱するスクラップ、染み、粘土にまみれた手…。決してきれいごとでは済まない手作業に喜びを見出すアーティストばかりだ。

Acne StudiosのRepurposedコレクションには、余り物の生地と材料だけで作られた製品が並ぶ。制限の中で豊かに創造性を表現した今回のSSENSE限定カプセルコレクションは、それ自体が視点の表明であり、多様な要素を組合わせる「パッチワーク」的性格は、独自の創作を追求するニューヨークの手づくりアーティストたちに通じるものがある。

Vince Patti(左) 着用アイテム:シャツ(Acne Studios) Mischa Langley(右) 着用アイテム:Tシャツ(Acne Studios) 冒頭の画像 Dana Arbib 着用アイテム:シャツ(Acne Studios)トラウザーズ(Acne Studios)クロッグ(Acne Studios)

Mischa Langley 着用アイテム:Tシャツ(Acne Studios)

Lesser Miracle

29歳のヴィンス・パティと26歳のミシャ・ラングリーが暮らすブルックリン地区のベッドフォード=スタイベサントと、ワークショップがあるブッシュウィックは近距離だ。Lesser Miracleを立ち上げて2年になるが、その誕生にはロマンスが絡んでいた。「ヴィンスは私にベタ惚れだったし、私はヴィンスのテーブル ソーを使いたかったの」とラングリーが言えば、「僕はミシャに熱を上げてたし、業務用のテーブル ソーを持ってた」とパティが返す。そう、愛情だけではない。実用性も大切なのだ。今のワークショップも、ビルのシャッター式ドアの横幅が広く、トラックが入れるところが気に入ってる。「路上駐車だと、毎日道路の反対側へ駐車し直さなきゃいけないけど、今の場所はクリスマスに帰省するときもトラックを中へ入れておけるから、すごく便利」

Mike Ruiz Serra 着用アイテム:シャツ(Acne Studios)ジーンズ(Acne Studios)

Mike Ruiz Serra 着用アイテム:シャツ(Acne Studios)ジーンズ(Acne Studios)

Mike Ruiz Serra 着用アイテム:ジーンズ(Acne Studios)

マイク・ルイズ・セラ

25歳のマイク・ルイズ・セラはクイーンズ地区リッジウッド在住。ブルックリン地区ウィリアムズバーグにあるスタジオへ通って家具とオブジェを製作する生活が3年間続いているが、物づくりへの関心はそれよりはるか前、ロードアイランド スクール オブ デザインでの学生時代まで遡る。「自然光とスタジオの外にある木が好きなんだ」とセラは言う。「仕事場は、常に、静かで落ち着いた雰囲気にしておきたい」

デイナ・アービブ

デザインのさまざまな側面に関わってきたデイナ・アービブだが、ガラスのデザインをスタートしたのは2020年のことだ。イタリア国籍のアービブは、ベニスに溶解炉を持っている人物と友だちになったのをきっかけに、自分の家系とガラス造形に深い繋がりがあるのを発見したそうだ。「リビア人だった祖先が、1900年代の初め、ベニスに溶解炉を持ってたらしいの」。ガラス作品のデザインは、ニューヨークの自宅でたくさんの蔵書に囲まれながら行なう。「古代の工法に関する稀覯本を収集するのが好き」

Christian Moses 着用アイテム:Tシャツ(Acne Studios)

Christian Moses 着用アイテム:Tシャツ(Acne Studios)

クリスチャン・モーゼス

パンデミックが始まった最初の夏、クリスチャン・モーゼスは何か新しいことを学ぼうと決意した。成長期を過ごしたブルックリン地区フォート グリーンから歩いてすぐのプロスペクト ハイツには、コミュニティの陶器スタジオがあった。そこで受けた最初の授業を思い出しながら「何に足を踏み入れたのか、まったく見当もつかなかったね」と言う。だが気紛れに始めたプロジェクトは、型にはまらない表現力豊かな創作となって開花し、コミュニティとの繋がりも生まれた。「知り合いでもそうじゃなくても、人の作品と僕の作品が成長していくのを目の当たりにできるのはすごく恵まれてると思う。新しい釉薬や気に入った道具について話してたら、いつのまにか、クラス全員でカーダシアン一家やアルゴリズム的陶器を討論し始めてることも珍しくないんだ」

  • 写真: Neva Wireko
  • スタイリング: Mel Reneé Leamon
  • 写真アシスタント: Julian Lopez
  • スタイリング アシスタント: Kerane Marcellus
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: November 14, 2022