SSENSEの2022年を振り返る

喜び、慰め、新しい視点を与えてくれたエディトリアル選

  • イラストレーション: Gavin Park

2022年の終わりが近づく今日この頃、SSENSEエディトリアル チームは今年のアーカイブを振り返り、もっとも心に響いたストーリーと多くの聡明な知性を再考した。「今の時代」という形容が何を意味するかはもはや定かでないけれど、以下に改めてご紹介するエッセイ、エディトリアル、インタビューは過去12か月の凝縮であると同時に、この1年を浮かび上がらせる光でもある。過去へ流し去る「終わり」ではなく、2023年へ持ち越すテーマとして心に銘記しておきたい。

建築家でありOana Stănescu デザイン スタジオの創設者でもあるオアナ・スタネスク(Oana Stănescu)が、測定できない側面や言葉で表現できない要素に留意しつつ、4人の建築専門家との対話で建築の未来を探った。イフェ・サレマ・ヴァナブル(Ife Salema Vanable)、ダイアナ・ジーン・サンドヴァル・マルティネス(Diana Jean Sandoval Martinez)、オマール・ガンディ(Omar Gandhi)、ゼイナ・コレイタム(Zeina Koreitem)の意見は、鋭く核心に切り込み、大きく広がり、深い感覚に根差している。空間設計に関する洞察に興味がある読者には、デジタルと実店舗のリテールを考察したサミュエル・ロス(Samuel Ross)のインタビューもおすすめ。

クロエ・セヴィニー(Chloë Sevigny)については、今更、紹介するまでもない。30年にわたるキャリア、世界的な映像作家たちとの仕事から学んだことを含め、俳優でありファッション アイコンでもあるセヴィニーのプロフィールを、ライターのソーラ・シームセン(Thora Siemsen)が詳細に解説する。

熱烈なファンを持つデザイナーのシモーネ・ロシャ(Simone Rocha)が、ロンドン ファッション ウィークでメンズウェア コレクションのデビューを果たした後、SSENSE デジタル コンテント ヘッドであるステフ・ヨトカ(Steff Yotka)のZoom通話に応じた。「テクニカルな視点にすごく刺激を感じて…そこからほとんど軍隊みたいな統一性が生まれたのよ。つまり、厳密な規則と境界線の遊び」と、ロシャはメンズウェア導入の経緯を説明する。その他、2022年のSSENSEエディトリアルに登場した個性溢れるデザイナーとして、マーシャ・ポポヴァ(Masha Popova)ロイス・ソーンダーズ(Lois Saunders)チョ・ギソク(Cho Gi-Seok)のインタビュー記事も、ぜひ読んでほしい。

「ファッションの世界では、細くない体を考えようとする取り組みがまだまだ始まったばかり」とシネイド・オドワイヤーは言う。「痩せていない体、そのための服を私が考え直そうとするのは、業界の現状がモチベーションだと言ってもいいわ」。従来のファッションを一から作り直すデザイナーの世界を覗いてみよう。

一度ならず延期され、否が応でも期待の高まる『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』続編が、間もなくやってくる。2023年5月の発売開始は確実だ。なぜ『ブレワイ』がゲーム史きっての傑作なのか? 続編に何を期待できるのか? ミシュラン三つ星レストラン「Noma」の発酵ラボでリーダーを務めたデイヴィッド・ジルバー(David Zilber)の多元的考察を読んで、いざウォーミングアップ。

モントリオールを拠点とする写真家ファティーヌ・ヴィオレット・サビリ(Fatine Violette-Sabiri)、メイクアップ アーティストのキャロル・メト(Carole Méthot)、@archivings.stacksのシャーハン・アサドゥリアン(Shahan Assadourian)、(MiaouBARRAGÁNが結集して、「物」に隠された持ち主の生活を探る。SSENSE 物とモノから多数が友情出演。

ジョシュア・P・マシューズ(Josh P. Matthew)には、自転車に乗ることだけでなく、スタイル、移動、データ保存の観点が大きな重要性を持つ。「地下鉄に乗らずに自転車を使う選択は、小さな行為に思えるかもしれない」と、シドニー・アレン=アッシュ(Sydney Allen-Ash)は解説する。「だが、自分の体と自分が占める空間の境界を掻乱する意味で、マシューズは同じことをしてきた黒人のアーティストや知識人の系譜に連なる」。『HARD-SHELL®』には、マシューズとサイクリング用品の関係が示され、膨大なArc’teryx製品とレアなバイク アーカイブが紹介されている。アレン=アッシュとの対話から、マシューズの真意が明らかになる。

買いたいという要望が山ほど来ても、サム・バルスキー(Sam Barsky)は手編みしたセーターを1枚たりとも売りはしない。 SNSでバズる手編みニットの生みの親であるバルスキーが、その情熱と手法を語る。

あなたのSpotifyまとめ2022にスキイフォール(Skiifall)が入っていないなら、一度聴いてみる良いチャンスだ! 2023年にも数えきれないほどの新曲が生まれるだろうが、スキイフォールが輝く年になるのは間違いない。シェルドン・ピアス(Sheldon Pearce)のインタビュー、イザベル・オコロ(Isabel Okoro)の写真、ジャネル・バランタイン(Janelle Ballantyne)のスタイリングで、新進のラッパー/シンガーに迫る。

『i-D Magazine』の美容シニア エディター アット ラージであり、「資料大好き人間」を自認するジャワラ・ウォーホープ(Jawara Wauchope)のクライアントには、ベラ・ハディッド(Bella Hadid)、ビヨンセ(Beyoncé)、ナオミ・キャンベル(Naomi Campbell)、リアーナ(Rihanna)、ソランジュ(Solange)など、錚々たるセレブたちが名を連ねる。お腹が大きく突き出したリアーナ誇らしく馬に跨ったビヨンセを含め、彼の作品は2022年のマガジン表紙、広告、エディトリアルでもっとも反響を呼んだほか、BurberryLanvinを始めとする有名ブランドのキャンペーンに登場して、私たちを唖然とさせた。ディードリー・ダイアー(Deidre Dyer)のインタビューに応えて、独創的なビジョンを形にするスタイリストが造形の真髄を語った。重力に挑戦するかのようなルックは、ダイアーの言うとおり、「百聞は一見にしかず。ただし、決して触ろうなどと思ってはならない」

「進化していくほうが、全面的にリブランディングするより、よっぽどいい」と、デザイナーのショーン・ブラウン(Sean Brown)は言う。落ち着ける場所づくりからMTVの『Cribs』で最高だと思ったセレブの自宅まで、音楽、ファッション、インテリア空間の理解をブラウンが語った。

「編集長症候群」という言葉を耳にしたことがあるだろうか? たとえなくても、症状を呈している人には必ず心当たりがあるはずだ。すなわち、難解な語を好んで用いる傾向、難解な語に伴う不眠、博物館での徘徊、首の付け根の痛痒感、等々。ファション界でもっとも重要な意味を持つ9月に向けて、ライター、フォトグラファー、モデルであり、編集長となるべく修行中のマイケル3世(Michael the III)が、世のファッション編集長へアドバイスと注意事項を伝授する。もっとスリルとサスペンスをご希望の方は、マイケル3世式 殺人ミステリーをどうぞ。

シカゴを拠点とするライターのカリラ・ドーズ(Khalila Douze)は、長年タロットとの関係を深めてきて、「これは占いというよりもの探しゲームに近い」と思うようになった。デザイン、建築、癒しの要素と関連させながら、ドーズの言葉は変容を促して「内面の再配置」に光を当てる。

  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: December 27, 2022
  • イラストレーション: Gavin Park