SSENSEブライダルを祝して

SSENSE限定コレクションの
誕生を機に、
5組のカップルが愛を語る

  • インタビュー: Ross Scarano
  • 写真: Tom Kneller
  • スタイリング: Zoey Radford Scott

愛ってなんだろう? 友達や家族の懐疑的な態度にもかかわらず、18歳で一緒に暮らし始めることだろうか? あるいは30年以上も続く結婚のことかもしれない。あるいは、案外、中年になってからの3度目の結婚が今度ばかりは壊れなかった、みたいなのが愛かもしれない。ふたつの風の星座が繋がり合った愛があり、食事と映画を共にしてシンプルな喜びを楽しむ愛がある。喧嘩した後、ジョークを飛ばして笑いあう愛があり、諍いの後、キスで仲直りする愛がある。内面を変えてくれる愛がある。

SSENSEブライダルのローンチは、愛について口をつむぐことを止め、言葉に出して語ってみるいい機会だ。そこで今回、現実のカップル5組を選び、結婚の意味を探った。SSENSEが自信を持って提供する斬新なウェディング ファッションで正装した彼らは、昔ながらの結婚という考えに対して、どんな未来を描いているのだろう? 本日新登場のSSENSEブライダル コレクションでは、ウィメンズウェアメンズウェアでそれぞれSimone Rocha、Sandy Liang、Chopova Lowena、Sophie BuhaiによるSSENSE限定デザインのほか、The Row、Jacquemus、Jil Sanderをはじめとする人気ブランドから厳選した、ウェディングにふさわしいドレス、テーラリング、シューズを提案する。

さて、5組のカップルが話してくれた愛の物語はさまざまだ。2組はアプリを通じて知り合い、2組は共通の友人を介して出会い、1組は娘の友人の元カレの貝殻コレクションがきっかけだった。詳しくは後で説明しよう。生活拠点は、4組がニューヨーク、1組がカリフォルニア。カップルになってからの期間は、それぞれ1年半、2年、離れたり戻ったりしながら2年、4年、37年。パートナーに対する考え方も違うし、現在置かれている人生の段階も異なる。結婚しているのは1組だけだが、結婚を話し始めたカップルもある。ただひとつ、どのカップルも愛し合っている。

まず、ジェイムス(James)とナヤ(Nyah)から始めよう。共に18歳、いちばん年若いカップルだ。愛に火がついたのは、もうひとりの友人と3人でFaceTimeコールをしたときだった。あろうことか、その友人の電話が通じなくなり、ジェイムスとナヤはふたりで取り残される羽目になった。そしてそれまでほとんどつき合いがなかったにもかかわらず、夜を徹して「鳥が囀り始めるまで」話し続けたという。

「私もジェイムスも、絶対に一緒に暮らしたいという気持ちに迷いはなかった」とナヤは言う。ふたりの決意に、誰もが同じように納得したわけではない。ハイスクール時代から恋人同士という年上の知り合いに話してみたこともある。そういう人たちなら10代のふたりを祝福してくれるだろうと思ったのに、呆れた表情で「これから色々変わっていくのよ」と諭された。だがジェイムスとナヤだって、俗にいう「大人の分別」はわかっている。カレッジへ進学する予定もあるし、違う街で暮らすことになるかもしれない。だから状況に合わせざるをえなくて、新しいプランを考え始めている。

そう、愛とは変化でもある。カップルになって2年のロビー(Robby)とレイ(Ray)は、ロザリア(Rosalía)の新曲「yo me transformo - あなたが私を変える」が大好きだ。愛によって内面が変わっていくと歌う歌詞は、ふたりの関係に重なるところがある。「ロビーを愛することで、僕は人生について知っていると思っていたことを問い直して、放棄するようになった。そしてもっといいもの、僕自身や僕の周囲の人たちにもっと役立つものが生まれてくる」とレイは言う。「それが僕とロビーとの関係だ。これまでの人生で身に着けた考え方に、僕は縛られている。ロビーはそこに気づかせてくれる」

アプリで知り合った当初は、それほど胸がときめいたわけではない。だが数か月後に、偶然、マリブのタコ スタンドで出くわした。今回ご紹介する5組の多くと同様、一目惚れしたとは思わない。再会した後も単なる友達にすぎなかった。だが一緒に映画を観たある運命の夜、表面化で膨らんでいた感情が一気に浮上した。その後はご想像のとおり。

最初は結婚が自分たちに向いているとは思わなかったが、今は考え直している。

ジェイン(Jane)とカイ(Kai)は、SSENSEの撮影中、ウェディング姿になっていく他のカップルたちを観察するのを楽しんでいた。一種のブライダル コスプレだ。実を言うと、ウェディングの服を着ることに、ふたりとも若干の不安があった。「普通こういうドレスを着るのは、結婚すると決まってからよね」とカイが言う。ジェインによると、あまり普通の衣裳は着せてもらえないんじゃないかと、カイは心配していたらしい。「クィアのカップルは、何を着せられるかわからないもん。ロンパースだったりして」と、ジェインはカイを笑わせる。

カイのために用意された衣裳は、流れ落ちるようなラッフルがレースで縁取りされたSimone Rochaのセミシアなドレスだった。ジェインはオーバーサイズなスーツ。背の高いカイのほうが男性的な服装を想像されがちだが、そうではない。ジェインが初めて目にしたカイは、座っていた。その後立ち上がったときの背の高さに、ジェーンはびっくりしたと言う。そして最初のデートで6時間話し続けた。

ふたりには車と旅が大事だ。「カイの故郷のテキサスまで車で行こう、って話してるんだ」とジェインが言う。カイは、カナダ人のジェインと冬のトロントでデートしたことを懐かしく思い出す。シャベルで雪をすくって、ジェインの車を掘り出さなきゃいけなかった。「あれはデートとは呼べないけど、いい思い出」とジェインが言い、カイが続ける。「いかにもクィアらしいと思われたくないけど、若い頃って、車は独立とプライベートな空間そのものなんだよね」。車は、公衆の中でプライバシーを与えてくれる。一緒に長距離をドライブするのはワクワクする冒険だ。

魚座のトビアス(Tobias)は牡羊座のダニエラ(Daniela)と出会ったときから「一目でぞっこん」だったと言う。「当時ハーレムのアパートを兄弟とシェアして、定期的に大人数のパーティーを開いていた」トビアスは、共通の友人を介してダニエラと知り合い、どうしてももう一度会わずにはいられなかった。その点、定期パーティーは完璧な手段だった。招待する友達に「ダニエラを連れてきてよ!」と頼んだのが4年前のことだ。

ダニエラは言葉で愛を決めつけたくない。彼女にとっては、体の触れ合いと充実した時間が愛の言葉だ。トビアスは「自分の考え方だけに固執しないで、相手の視点を受け容れる」のが、パートナーシップの意味だと思う。喧嘩になったときは大抵、彼が「馬鹿げたジョーク」を持ち出して一緒に笑い飛ばす。何であれ、それほど深刻になる必要はないことを思い出すのだ。

カール(Carl)とデニス(Denise)には、カップルとして40年近い歴史がある。当然ふたりの視点には大きな意味があるが、長い結婚生活で学んだことは、偶然にも、ダニエラとトビアスが教えてくれた「気楽さ」とそれほど変わらない。「本当に腹を立てることなんて、それほどないんだよ」とカールは言う。「上手くやっていけないのは、ほとんどの場合、エゴとどうでもいいことが原因だから」

カールにとっては3度目の結婚だ。3度目で、「ろくでなし」からもっと良い夫、もっと良い人間に変わった。ふたりで楽しむ世界旅行は人生を豊かにし、カールの膨大な貝殻コレクションはさらに大きくなった。1980年代にふたりを結びつけたのも、貝殻コレクション。前の結婚でもうけた娘が、「父さんと同じように貝殻をコレクションしてる男性とつき合っている友達がいるのよ」と教えたのがきっかけだ。

「私から話していい?」と、デニスが笑いながら引き継ぐ。彼女の話のほうが簡潔だ。「3人の男性と一緒に、1本のワインと2本のマリワナ煙草を持ってカールに会いに行ったのが火曜日。つき合ってた男性が家へ帰ったのが水曜日。カールと出かけたのが木曜日で、私のところへ越してきたのが土曜日」

「ベッドルームが3つあるマンハッタンの家を出て、通りを下ったところにあるスタジオ アパートへ引っ越したんだ。ベッドは壁に収納するタイプだったよ」とカールは当時を振り返る。「持って行ったのは服と貝殻コレクションだけ」。そして数年後、ふたりはセントラル パークにある有名レストラン「Tavern on the Green」で結婚した。今回の撮影に参加する前、デニスはまだ昔のウェディングドレスを着られる体形なのがわかったそうだ。背中が大きくあいた強印象のデザインだ。「彼女はホットだったよ」とカールは受け合う。

「最初、お互いに惹かれたわ」とデニスは言う。「肉体関係の意味が大きかったのよ」。決して、冗談めかしているわけではない。「愛してる」というより「好き」という程度だった。だが、時と共に愛が育つことがわかった。「今は、彼のことを、結婚したときよりもっと愛してる」

私たち全員が同じくらい幸運であることを祈ろう。

  • インタビュー: Ross Scarano
  • 写真: Tom Kneller
  • スタイリング: Zoey Radford Scott
  • セットデザイン: Hans Maharawal
  • セットデザイン アシスタント: Lizzie Alexander、Danny Gonzalez
  • キャスティング: Natalie Lin at In Search of Agency)
  • ヘア: Rachel Polycarpe
  • メイクアップ: Christina Placide
  • モデル: Ray Braungart & Robby Arroyo Smith、Nyah Maudrina Raposo & James Hunt、Daniela Garza & Tobias Defoe、Jane Bickford & Kai de la Cruz、Denise & Carl Ehrlich
  • プロダクション: Fresh Produce、Izzy Cohan
  • プロダクション コーディネーター: Sam Grumet
  • プロダクション アシスタント: Ryan Collins & Rayan Mustafa
  • 翻訳: Yoriko Inoue
  • Date: July 20, 2023