トリー・バーチのRevaはリバイバル真っ只中
華々しく表舞台へ復活した「Reva」のサクセスストーリー
- 文: Liana Satenstein
- 写真: John Yuyi


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Tory Burchのロゴメダルを見逃すことはない。Revaバレエシューズのつま先で輝いていた金色のダブルTは、アスファルトの上に光るビーコンのようだった。2006年、Revaは大学生やセレブの足元でその存在感を高め、やがてプロフェッショナルの世界にも確かな地位を築いていった。ミッドタウンのニューヨークでRevaを履いていた女性たちのことを、私はよく覚えている。隙のない美しさ、磨き抜かれた足元、彼女たちはラッカー仕上げを施されたかのように輝いていた。Revaは都会で働く女性たちにとって“理想の一足”となり、キャリアへの道を指し示す、金色のコンパスとなったのだ。
時は流れて2020年代。Tory BurchのRevaバレエシューズは、いま再興の時を迎えている。2017年に生産終了して以来、長らく仕舞い込まれていた靴箱から息を吹き返し、2025年春のランウェイへとよみがえった。シルバーのハードウェアと洗練されたシャープなシルエットで復活を果たしたRevaは、ダウンタウンでヴィンテージアイテムを掘り当てたあと、Cervo’sでマティーニを飲み干すような女性にふさわしい一足となった。
「オリジナルのRevaは私たちにとって特別な存在でした」と、Zoomの画面越しにトリ―・バーチ(Tory Burch)は言う。「ブランドにとってクラシックなものを、いまの時代にふさわしい形でどう再解釈するか? そこが最大の問いでした」
そこで考えられたのが、美容整形でいうなら切開リフトに等しい、徹底した改造だ。新しいRevaには、洗練されたセクシーさが漂う。よく見ると、ロゴメダルがカットアウトされ、ちょっぴりセクシーな足の甲が覗くデザインに変わっている(ただし、すべてのRevaがこのデザインを採用しているわけではなく、一部は従来通り、足先を覆ったデザインになる)。フィット感も向上し、滑らかなバターのごとく柔らかなレザーが、ぴたっと足を包み込む。驚くほど快適だ。
私とRevaの出会いは2022年にさかのぼる。クラシックな黒と金のRevaから始まり、さらに4足を愛用した。あらゆるファッションに、私はRevaを履いた。Eckhaus Lattaののゆったりとしたヒップハグジーンズ、Jean Paul Gaultierのヴィンテージスカート、Ralph Laurenのオーバーサイズなピンストライプパンツ…。スマートなスーツにも完璧に似合ったし、夫のバカでかいバスケショートパンツを拝借したときは、お茶目なウィンクを送ってよこした。さらに、私の結婚式のアフターパーティーでは、お気に入りのシューズとして活躍し、クリーム色のサテン地スカートの下からロゴメダルが顔を覗かせ輝いていた。


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2023年秋のショーに向けて、このブランドとソーシャルコンテンツのコラボレーションを始めたとき、Tory Burchの新世代ガールズたちは、キュートなキトンヒールやトゥリングミュールに夢中になっていた。それでも私はRevaに惹かれていた。ある意味、シンプルなシルエットとクラシックなロゴは、無限の可能性を秘めたアイテムだった。カメレオンみたいに変幻自在なところは、例えば、シャネルの2.55バッグのような、不朽の名品と共通している。
ベストセラーとなったこのバレエシューズは、バーチと母の心温まる思い出から生まれた。名前の由来はトリー・バーチの母、リーヴァ・ロビンソン(Reva Robinson)だ。いつも美しいマニキュアを欠かさない、上品で美しい女性だった。「母はラバーのバレエシューズを持っていました。庭にいるときはいつもそのシューズを履いていたので、オードリー・ヘップバーンを連想したものです。シガレットパンツと合わせていた母はとてもシックでした」とバーチは回想する。

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Revaのおかげで、Tory Burchは一躍メガ級の有名ブランドになった。『Hijacking the Runway』(2014年)の著者テリー・エイギンス(Teri Agins)は「オレオクッキーの模様に似た、目を引く」ブラスの華麗なメダルと履きやすいラバーソールは、真逆の組み合わせだったと回想している。バーチにとって、あのメダルは単なるロゴではなかった。
「むしろ、ロゴメダルとシューズのあいだに一種の緊張関係を作り出すための、デザインでした」。バーチの狙いは見事にヒットし、2013年までに500万足以上のRevaを売り上げた。Revaはポップカルチャーでも存在感を放ち、『オプラのフェイバリット・シングス』から『ゴシップガール』まで幅広く登場。2009年にはバーチ自身も『ゴシップガール』にカメオ出演している。
2010年代中頃にはバレエシューズ熱が薄れたため、規模縮小が企業として当然の決断ではあった。だが、それだけが理由ではない。バーチは自らのブランドがひとつのイメージに縛られることを望まなかったのだ。誰もがTory BurchといえばRevaと認識していたが、彼女は他のプロダクトにも光を当てたかったのである。

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2017年からのRevaの主役降板は、結果的にプラスに作用したようだ。「『どうか復活させて』、『欲しい色が見つからない』、『こういうのが見つからない』、『ああいうのが見つからない』って、お客様からの問い合わせが後を絶たないんです」とバーチは言う。「ですから、良さを再認識してもらうために、ちょっと距離を置くのはいいことだと思います」
Tory Burchブランドのなかで、Revaは特別な場所を占める商品だ。否が応でも以前の上品なTory Burchを思い出させるし、復活の陰にはバーチが戦術的に意図した距離と懐かしいRevaのカムバックを歓迎する熱狂がある。第一、プレッピーの美学とかくも強く結びついたシューズを、どうすれば現代に結びつけることができるのか?

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Revaの復活は、デザインだけの成果ではない。不朽のRevaと現在の非常にクールなTory 2.0のファッションを、Tory Burchは抵抗なく結び付けてみせた。そこに、ブランドとしての勇気がある。「少しばかりノスタルジーの要素があるのは確かですが、新しいTory Burchを象徴していると思います。つまり、ユニークなブランドを代表するクラシックなアイテムを選び、自分のファッションとミックスし、調和させることで自分のものにできるという考え方です」と『Harper’s Bazaar』のファッションニュース ディレクターのBrooke Bobbは言う。
「明らかに、現在のファッション界には極端な懐古趣味があります。時代遅れと思われたものをとりあげ、それが実はとってもお洒落だということを思い出させるのは、スタイリングとしても楽しいものです」と、『Washington Post』ファッション評論家のレイチェル・タシジャン(Rachel Tashjian)は言う。「あるいは、集団の意識を変えて、みんなが最初から誤解してたんだってことを匂わせる。コース(Kors)時代のCélineやゴルチエ(Gaultier)時代のHermèsと同じように」

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Revaのリメイクは、ブランドがなしうる最大の改革だった。「彼女が抜きん出ている点は、私たちの記憶にある限りずっと前からファッションブランドを守り続けたパワフルな女性であり、多くの若い女性たちの尊敬を集めていること。そして、型通りのマーケティングに任せることなく、ビジネスを一新し、 本当に楽しくて、独創的で、セクシーなファッションを作ろうと決断したことです」とタシジャンは言う。「トリーがキャリアを大きく方向転換したことは、私たちに力を与えてくれます。女性もファッションもシューズも、外の世界から課された制限の内側に留まる必要はない、おとなしく箱に入る必要はない、と教えてくれます」
Revaも制限の内側から、靴箱の中から、飛び出した。それを一番よく教えてくれるのは、今Revaを履いている若い女性たちだ。昨年のパーソンズ美術大学で、分厚い靴下にRevaを履いている学生たちがいることにバーチは気づいた。意図的な距離が、新しいタイプのファンを連れてきたわけだ。「今では、以前よりはるかに低年齢のお客様がいます」とバーチは言う。「前とは違っています。ダウンタウンガールもアップタウンガールもいる。お客様のそういう多様性が格別に嬉しいです」

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28歳のサーシャ・マチニック(Sasha Mutchnik)はダウンタウンガールの部類に入る。Instagram アカウント@starterpacksofnycで熱烈なフォロワーを誇るニューヨーク在住のライターは、「Reva」を「Tory」と呼び、Poshmarkを探し回った挙句、ポニーヘアのヒョウ柄フラットを50ドルで手に入れた。「買った理由は、カムバックすることがわかってたから」とマチニックは言う。「だけど私は、もっとレトロな色合いが欲しかったの。2000年代初めにケイト・モス(Kate Moss)やシエナ・ミラー(Sienna Miller)が履いてたバレエシューズの感じ」
トリ―・バーチは正しかった。距離を置くことで、Revaはもっと愛されるようになった。

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- 文: Liana Satenstein
- 写真: John Yuyi
- キャスティング ディレクター: Natalia Sanchez
- モデル: Margeaux Labat, Renee Bellerive, Micaela Wittman
- スタイリスト: Andrew Sauceda
- メイクアップ: Jezz Hill
- ヘア: Joey George
- ネイリスト: Alex Smith
- プロデューサー: TJ Silon
- 動画編集: Giselle Shiyen Chien
- デジタル技術/リタッチング: Color Center
- Date: April 17, 2025


